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オウンドメディア運営で注意すべき知財管理3つのポイント

公開日: : ビジネスモデル, 商標, 特許, 著作権

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ホームページには会社や商品を説明する目的があるのに対し、オウンドメディアにはユーザーに役立つ情報を提供する目的があります。広告を使わずに会社や商品を宣伝するツールとも言えます。

そんな今注目のオウンドメディアですが、この運営をするにあたり、知的財産で気をつけなきゃいかないこともいくつかあるんです。後々面倒なことにならないように。

そこで、オウンドメディア運営で注意すべき知財管理3つのポイントを整理しました。

photo credit: PlaySureVeillance, pwned Facebook profile via photopin (license)

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他人の著作権の侵害

SEO(検索エンジン最適化)のために多数の記事を作ろうと、クラウドソーシングサービスを利用して安価なコンテンツを調達している企業もあるようだ。著作権違反やコピー・アンド・ペーストによる粗悪な記事、単に宣伝をしているだけの記事もある。

<引用:2015/5/1 日本経済新聞電子版「宣伝か有益な情報か 評価「紙一重」の企業メディア」>

これはオウンドメディアに限りませんが、著作権の常識がない担当者だとリスキーなので気を付けるべきです。各エントリーで利用する著作物には、写真、動画、音楽、統計データ、参考文献などがあるからです。

これらを自社以外から入手する場合、著作権の帰属について確認するのが安全です。例えば、ネット上のフリー写真を利用する場合、その写真の管理会社に著作権が残っており、利用の仕方によっては著作権を侵害する恐れもあります。

統計データなら発表者名や所属先、参考文献なら出版社や著者名などの引用元がちゃんと明記されているか確認しましょう。エントリーの品質を意識し過ぎて忘れることもあるかもしれません。

ユーザーからの投稿を受け付けているなら、他人の著作権を利用する際の注意事項(免責)、投稿された著作物は全て自社のものになること、ユーザーに帰属する権利(著作者人格権)を行使しないこと、などを利用規約に書いておいたほうがいいです。

サイト名や企画名の商標登録

メディア担当者が優秀なら、引きのあるサイト名のみならず、いろんなコンテンツを企画するでしょうから、企画名もポンポン創作されるかもしれません。それらはもちろん会社の知財として管理すべきです。

そこでサイト名や企画名を商標登録しておくのが安全です。人気のあるオウンドメディアほど、ネーミングでの集客力は高いはずだからです。

利用規約には、サイト名、企画名、ロゴ、キャラクターなどの商標は登録済みであることを書いておきましょう。これには他人に勝手に使わせない抑止力と商標の一般名詞化を防ぐ効果があります。

逆に、サイト名や企画名を考え、実際に使用する前には他人の商標登録の有り無しを調査しておくことも忘れてはいけません。人気が出たころに商標権の侵害が発覚したら、名称変更のリスクがあるからです。 

企業秘密の流出

オウンドメディアってそもそも何かを考えると、発信する情報も吟味する必要があります。そのため、読者のためを考えすぎ、うっかり企業秘密をポロリなんてことがないとは言い切れません。

インフォバーンの今田素子CEO(最高経営責任者)は、オウンドメディアを「企業が発信したい情報を、生活者が読みたいコンテンツにして発信するメディア」と定義する。

<引用:2015/5/1 日本経済新聞 電子版「宣伝か有益な情報か 評価「紙一重」の企業メディア」>

これについてはメディア担当者のみならず、商品企画担当や広報担当も企業秘密の流出防止を意識してエントリー内容を検討する必要があります。どの情報をオープンし、どの情報をクローズするか、ということです。

商品リリース情報なんかも注意すべきです。メディアをチェックしたライバル会社がどのような動きを仕掛けるかわからないからです。特許や商標を先に出して、後出しを妨害する狙いもあり得るからです。

≪まとめ≫

ユーザー獲得の一手としてオウンドメディアが注目されていますが、これにも知財管理が必要です。集客や収益につなげるための武器が諸刃の剣だったら本業に悪影響を及ぼしかねません。

2015年5月4日

著者 ゆうすけ

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  • 弁理士/監査役/ブロガー。中堅企業、中小・ベンチャー企業、スタートアップに適した知的財産活動を提案。 「地域発 ヒット商品のデザイン」でネーミングと商標登録のコラムを掲載。
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