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他社の特許を調べて技術開発!「知財功労賞」の受賞会社から学ぶ知財管理術

公開日: : 特許, 特許事例研究

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特許庁が主催する、平成27年度「知財功労賞」の表彰式が本日(2015/4/17)行われました。特許庁のサイトには、今年度の受賞者のコメントが掲載されています。

その中で、今回は岐阜プラスチック工業株式会社の大松代表のコメントの一部をご紹介し、それについて考えてみました。

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他社の特許情報を自社のモノづくりに活かす!

知的財産権の保護強化のため、他社の保有権利等を独自にまとめた知財マップや、毎年400件を超える先行技術調査を行った上で開発を進め、その開発成果から新規性や進歩性の創出に励んでおります。

<引用:岐阜プラスチック工業株式会社 [岐阜県] 代表取締役社長 大松 利幸氏>

ライバル会社の特許を見れば、どういう技術に力を入れているかを推測することができます。特許には、特許庁が指定した技術毎のコードがふってあったりもします。

例えば、そのコードを集計すると、ライバル会社の特許分布図ができあがります。つまり、特許分布図からライバル会社の技術開発や特許戦略の動向を推測するできるわけです。

ライバル会社の動向は、自社の技術開発や事業戦略の方針材料にもできます。他社の特許を侵害しない製品づくりや荒らされていない市場開拓にも活用できるでしょう。

岐阜プラスチック工業株式会社には、こういった狙いがあって知財マップの作成や先行技術調査を行っていたんじゃないかと考えられます。他社の特許を参考にしたから自社の強みを磨けたのかもしれません。

その結果として、2014年に公開された岐阜プラスチック工業株式会社の特許出願は15件(J-Plat Pat調べ)。大企業と比べたら少ないものの、強い特許の獲得も期待できます。

≪まとめ≫

ライバル会社の特許情報の活かし方はいろいろあります。コストかけて徹底的に調べたらいいモノづくりができるというわけではありません。大事なのは、費用対効果のバランスです。中堅以下の会社では知財にかけられるマンパワーが不足気味のため、情報を取捨選択して有効活用する活動をサイクル化してみるのがいいのではないでしょうか。

2015年4月17日

著者 ゆうすけ

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