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スノーピークに学ぶハイエンド&オリジナルのモノづくり思想と特許戦略の因果関係

公開日: : 最終更新日:2014/11/15 特許, 特許事例研究, 特許戦略

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今日のカンブリア宮殿はアウトドア用品メーカー・スノーピークの特集でした。自分たちが欲しいモノづくりを追求したら、販売価格がめちゃくちゃ高いテントになっちゃったけど、100張売れたそうです。

この実績から、ハイエンド、つまり高くても誰も作ったことがないオリジナル商品をつくれば、必ず買ってくれるお客様がいると確信したと山井社長は言っていました。

そしてモノづくりの原点は、お客様目線になって考えること。「スノーピークウェイ」というイベントを開催し、キャンプ好きのお客様とスタッフさんとが直に触れ合う場をつくっています。

そして既存品の問題点やお客様を感動させる新たなアイデアを見つけ、それらを新商品開発に活かしています。もちろん特許もちゃんととっていました。

そこでスノーピークに学ぶハイエンド&オリジナルのモノづくり思想と特許戦略の因果関係をまとめました。

photo credit: Mateo Hos via photopin cc

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1997年から特許出願を本格化、特許率8割超え

スノーピークは1993年をピークに6期連続で減収となりました。その理由は、(質の割に)商品が高いのと、店頭に商品の品ぞろえが悪かったため。

そこで問屋の撤廃と特約店のみとの契約に切り替え、商品単価を下げ、品ぞろえを豊富にしたところ、業績が回復したといいます。

そんな背景を、特許の出願件数が物語っています。スノーピークの特許出願件数は累計で82件。そのうち特許になったのが68件。特許率が8割を超えていて驚異的です。

スノーピークが本格的に特許の出願をしはじめたのが、1997年(平成9年)。それから1年間で1~8件の特許出願を継続しています。

これはやはりハイエンドかつオリジナル商品と確信があったからこそ特許で守るべきという方針になったと予想できます。

おそらく放送中に紹介されていたテーブルも特許になっています。商品構造は決して複雑ではないものの、今までになかったアイデアです。

テーブルそのものとしてはハイエンドでも、キャンプユーザーにとってはありがたい、だから売れる。そしてこういう商品は簡単に真似されるから特許をとるべき。という因果関係です。

≪まとめ≫

新しいアイデアが簡単に出るわけがありません。だから特許の出願件数も減少傾向です。でもイノベーションを起こした成功者たちに共通しているのは、モノ好きで、現場思考で、ユーザー目線であることです。

逆に、その条件を満たしひたすら考え抜いたら新しいアイデアが生まれるかもしれない、と思うと、やってみる価値があるのではないでしょうか。

2014年9月18日

著者 ゆうすけ

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