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雨の日の悩みが解消する発明!「逆に開き逆に閉じる傘」の特許戦略の分析

公開日: : 最終更新日:2014/11/15 ビジネスモデル, 特許, 特許事例研究

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以前から新商品の情報に早くキャッチすることを心がけています。今回はプロブロガー・イケダハヤトさんのブログでも紹介されていた傘の発明です。

ぼくとしてはこのようなプロダクトがどのような仕組みになっているのかが気になって仕方がなくワクワクします。そんなとき何を見るかというと、特許の情報です。これも特許の仕事の醍醐味です。

©GAX

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紹介サイトで特許表示している

©GAX

最初気づかなかったんですが、ちゃんと特許をとっており、その表示がされていました(赤枠内:特許第4108720号)。ぶっちゃけ、この技術は特許になるだろうなって想ったので安心しました。ってかぼくが焦っても仕方ないでしょうが。。。^^;

ちなみに商標登録®の表示(赤矢印)のされています。あのロゴが登録されているという意味です(商標登録第5640471号)。

特許になったのは今から6年前(2008年)

今まで何があったのかおいといて、特許をとってから今回リリースするまで6年間かかったということになります。しかも特許になったのは2008年(赤枠)ですが、特許を出願(申請)したのはさらに前の2005年(青枠)です。つまり構想から実質10年近く費やしたようです。

そして特許の内容をみてその仕組みが具体的にわかりました。ザックリいえば、この傘は、骨となるメインシャフトと、このメインシャフトの上を上下に動くするスライダシャフト、このスライドシャフトの上を上下に動くシリンダシャフトがあって、スライドシャフトとシリンダシャフトを上までグーッと持ち上げると、逆になっていた傘がガバッと開く仕組みになっています。

【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、傘を開く際には、先ず、傘部開閉駆動手段を、メインシャフトに対して、ストッパ手段が傘部開閉駆動手段に当接する位置まで押し上げる。この位置からスライダシャフトをばね手段の付勢力に抗して押し上げる。すると、傘部開閉駆動手段はスライダシャフトの先端部とシリンダシャフトの元部とを離隔させるように駆動する。これによってシリンダシャフトに一端を枢支された支骨がスライダシャフトに枢支された主骨を牽引することになる。支骨は主骨の中間部でヒンジ結合されていることから、主骨はスライダシャフトの先端部を中心にして下方に回動することになる。つまり傘を広げることとなる。

<補足>特許の検索の仕方のご紹介

実はサイトに表示されている特許番号を見なくても、ぼくはこの傘の特許を検索できました。こういうときしか紹介できないので、その流れをチラッとお見せします。

まず特許庁のデータベースIPDLの公報テキスト検索を開き、「発明の名称」のところに「傘 アンブレラ」、「要約+請求の範囲」のところに「逆 反対」と入力します。そうすると、全部で385件ヒットしました。

この検索の仕方の意味ですが、おそらく「発明の名称」には「傘」というキーワードが使われているだろう、また外国人が出した特許なら和訳したときに「アンブレラ」というキーワードが使われているだろう、というよみです。

また「要約+請求の範囲」にはその特許の肝の部分が書かれており、おそらく「逆」か「反対」というキーワードが使われているだろう、ってかこのキーワード使わなきゃ説明しょうがないよな~と、というよみです。

そして検索結果の一覧を見ると、ズラッと385件並んでいたので、いちいち見るの大変だから、「逆」という文字検索をして黄色くなったところを追っていったら、今回の特許を見つけることができました(赤枠内)。

≪まとめ≫

こういう商品を見ると、アイデアってやっぱり尽きないものなのかな~って不思議に思うし、安心もします。何か考えたことがあればまずは発信してみる、創ってみるっていうのが大事なんだなって想います。

2014年4月12日

著者 ゆうすけ

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